西表島産シロモンクロシジミ

(同一個体の表面と裏面です)
西表島産 表面 西表島産 裏面
かなり見つけ難い蝶でした。
枯れた感じのあるセンダングサを目印に探せば、その付近に居るという事が既に判っていたから良かった ものの、この事を知らなければ、採れなかったかもしれません。

と言うのは、目の前に本種が居ても、他のシジミチョウの仲間に紛れて、
「どうせ、タイワンクロボシシジミかヤマトシジミの雌やろ」
と完全に無視してしまうに違いありません。そう、野外に居る本種(特に雌)は[ヤマトシジミ雌+タイワ ンクロボシシジミ]÷2のような感じなのです。
これらの最普通種に似ていたことが、本種の発見を難しくしていたのでしょう。

それから、とても展翅しにくい蝶でした。
翅は柔らかく、すぐシワシワになってしまうし、触角はご覧のように短くてなおかつフニャフニャです。
しかも、標本になってしまうと、イマイチ美しくない…。
生きている本種は、複眼が透明感のある翡翠色をしており、その顔の雰囲気がとてもよろしいのですが、標本 にするとダメになってしまいますね。