2006年の近況集20

  • 2006年10月18日

     10月16日付けの文では、クロツにハマリそうだとか言いながら、この10月15日 (日)に行ってきたのは石川県の能登半島。
     狙いは北限のシルビアシジミです。
     分布の端っことされている場所なので、何処にでも居るとは考えられず、とり あえずは記録のある場所で探してみるのが定跡でしょう。
     そこで最初に行ったのはこの画像、石川県における文献上の記録地、能登金剛 の関野鼻です。ここはモロに観光地で、観光客の皆さんが多く来られています。 こんな所ですから、大きなネットとカメラ2台を持った私は、かなり奇異に見えた ことでしょう。

     さて、ここからはこの10月15日(日)の行動で、今週いっぱい引っぱることに しましょう。
     事前にWEB上の1/25000地形図をチェックしてみると、海から立ち上がった崖上 にそこそこ大きな「楕円形の凹地」がありました。
     このことから、ここはドリーネかも知れん、ならばここは石灰岩質の土地かも …、従ってこの付近は草間台のように、擂り鉢斜面が草地になっていて、そこがポ イントとちゃうやろか?と、例によって妄想が広がり、行く前から「採れたも同 然」になっておりました。

  • 2006年10月20日

     行ってみると予想通りドリーネは在りましたが、そこには成長した樹々(カシ ワもあって少し意外でした)が繁り草地ではありません。草地が在ったのは、こ の画像のようにかなり海に近い場所と、レストハウスに近い庭園周辺でした。
     この画像の場所は最近、潮を被ったようで、ご覧のように赤茶けた草原となっ ています。これではシルビアシジミは生息していないだろうと判断し、チョッと 南の「ヤセの断崖」方面に移動。

     この「ヤセの断崖」から「義経の舟隠し」に至る遊歩道の両側が狭い幅でシ バ草原状になっていたので注意深く歩いてみたのですが、いっぱい飛んでいるの はヤマトシジミばかり。

     怪しい風体はしているものの、自殺希望者には見えんだろうと思ったので、イ ソヒヨドリが飛び回る中、崖に近づき降下してみると、岩には多肉質の植物が生 えています。
     花が咲いていないので、はっきり同定できませんが、これはタイトゴメかな?
     オメデタイ私は「おお!もしかするとクロツがおるかも?」と周囲を注視した のですが、なーんもおりません。まあ、当然ですわな。

  • 2006年10月22日

     結局、この関野鼻付近ではシルビアシジミの食草になり得る植物すら見つける ことができず「確実な記録があるのに、なんでやねん…」と釈然としないまま移 動。今度は耕作地周辺、即ち棚田を区切る畦の法面で探索することにしました。
     ご覧の画像は「日本の棚田100選」に選ばれた『大笹波水田』です。
     事前に地形図から、ここが棚田であることは判っていたのですが、「日本の棚 田100選」なるものに選ばれている有名棚田だとは知りませんでした。そのせい か、この棚田、それはそれは見事に手入れされておりました。ここまでキレイに手 入れされてしまうと、シルビアシジミはおろか、ヤマトシジミすらほとんど見か けることができません。
     仕方がないので次のねらい目、溜池の堤防斜面はどうかいな?と行ってみたの ですが、とても居そうな斜面ではありませんでした。

     この後、能登半島をさらに北上し、輪島市皆月地区まで草地をチェックしながら 走ったのですが、シルビアシジミは全く見られませんでした。
     完敗です。

     蝶研フィールドに発表された記録は、
    [石川県羽咋郡富来町関野(能登金剛関野鼻)1♂ 1992年08月18日 ]
    というものであり、既に14年経過しています。

     確かにこの地区は石灰岩質の台地であり、近年まで昔からの草地が維持されて いたのではないかと想像できます。
     発表された個体が採集された当時の状況は全く存じませんが、おそらく当時は 、現在観光客で賑わうレストハウスが未だ建っていなかったか、アスファルトで 覆われた広い駐車場が未整備だったのではないでしょうか。

  • 2006年10月24日
     本当に行きたかったのは丹後半島でした。

     京都府ラベルのシルビアシジミを何とかこの手にしたくて、去年までは京都府 南部地域で探していたのですが、今年はどうにも行く気が起こりません。
     そこで、目先を変えて海岸近くでやってみようと思い出発したのですが、諸般 の事情で家を出る時刻が遅くなってしまい、亀岡市を走行中に「この時刻では現 地滞在がたったの2.5時間か…、これでは無理やなぁ」という事で予定を変更、す ぐに到着できる兵庫県の小野市と加東市で撮って(採って)きました。

  • レタッチソフト,Adobe Photoshop Elements 2.0 レタッチ状態,トリミングをせずにシャープフィルターをかけて720×479ピクセル 33.13KBにリサイズ。RGBレベルは調整していない。【Web用に保存】から最適化をチェックJPEG標準画質50%を選択 使用レンズ,Tokina EMZ M100 AF (100mm F3.5 MACRO) 種類,JPEG イメージ (JPG) サイズ,"1.71 MB (1,803,293 バイト)" 画像情報,3008 x 2000 ドット 24 ビット メーカー,PENTAX Corporation 横解像度,72.0 縦解像度,72.0 解像度単位,dpi 作成ソフト,*ist DS Ver 1.02 露出時間(秒),1/320 F値,8.00 露出プログラム,絞り優先AE ISO感度,400 Exifバージョン,1220 撮影日時,2006/10/22 12:14:47 露出補正量(EV),-0.3 測光方式,中央重点平均測光 フラッシュ,使用せず / 常時オフ FlashPix バージョン,0010 色空間情報,sRGB カスタム画像処理,なし 露出モード,マニュアル ホワイトバランス,自動 "焦点距離(mm, 35mmフィルム換算)",150 撮影モード,標準 コントラスト,ノーマル 色の濃さ(彩度),ノーマル シャープネス,ハード

  • 2006年10月26日

     シルビアシジミの状態は10月24日にUPしたように、かなり汚損しており、ボチ ボチおしまい。従って、居たポイントでも最盛期は過ぎているようで、個体数は多 くありませんでした。

     この画像は加古川の右岸堤防。ここには必ず居るだろうと思い、かなりの距離 を持参の自転車で流してみたのですが全く見られませんでした。

     見ることができたポイントは、この辺りなら何処にでも在る溜池の堤防でした 。しかし、当然のことながら、溜池堤防ならどこででも見られる訳はなく、見られ たのは、たったの3ヶ所。
     さすがはシルビアシジミ、やはり気難しい蝶ですな。

  • 2006年10月28日

     本土の蝶(成虫)は、今年もボチボチおしまい。
     画像撮影の季節が始まりました。
     どんな展翅で、どのように撮ればよいのか?また、現物に忠実な色で、しかも美 しく画像編集をするには、どうすれば良いのだろうか?と悩むことになるのでし ょう。

     さしあたり今日は、RAWで撮って、現像?の後、JPEGファイルで保存。このJPEG ファイルを[Adobe Photoshop Elements 2.0]で切ったり貼ったりグリグリ廻し たりして、こんな画像を作ってみました。

  • 2006年10月30日

     今日も標本画像撮影試行錯誤シリーズです。
     10月28日にUPした画像は、F9.0で撮ったので被写界深度が深く、バックの布目 にもピントが合ってしまいました。そこで、今度は絞りを開放で撮ってみたので すが、P社の純正レンズを使用したにもかかわらずシャープさが失われてしまい ました。
     で、この画像は、F6.3に絞って撮ってみたものです。

  • 2006年11月01日

     10月29日の日曜日もフィールドに出かけておりました。狙いは、ハマリつつあ るクロツバメシジミ。
     前日の天気予報によると、この日曜日はあまり良くないとの事。そこで日曜日 は、休養日にするつもりで普段より遅く(07:00頃)に起きてみると、思いっきり 晴れています。これは、行かんとあかんやろ。ということで急遽出かけることしま した。
     クロツバメシジミについてはまだまだ経験不足なので、記録のある場所に行っ てみることにしました。この時刻から出発して間に合うのは兵庫県ぐらいしか思 いつきません。そこで行ってみたのは旧穴粟郡山崎町です。
     行ってみると揖保川沿いに露岩地が在り、そこがポイントであろうという事は すぐに解りました。本種の食草であるツメレンゲも、多くはありませんでしたが この画像のように元気に花を咲かせています。
    「これは間違いなくおるやろ…」としばらく探したのですが、全く見ることが できませんでした。
     まあ「修行が足りない」ということなのでしょう。

  • 2006年11月04日

     世の中3連休のようですが、伏見屋は営業中。今日もお仕事です。
     本当は伏見屋も3連休にして八重山に行きたかったのですが、チケットが取れ ませんでした。キャンセル待ちも、かけていたんですがねぇ…。最近、八重山方面 は人気があるようです。
     そこで今日は、10月29日(日)の続きです。

     クロツバメシジミはあきませんでしたが、シルビアシジミは撮って(採って) きました。
     山崎町の目的地に行く途中、北播磨地域を走っていると、なかなかよさげな場 所があちこちに見られます。先週(10月22日)に『シルビアシジミの居そうな 匂い』は学習しておいたので、今回は簡単に本種を見つけることができました。
     いっぱい居たので、デジタル一眼の100ミリマクロでも沢山撮影したのですが、 全ての画像が失敗。その原因は前日に標本画像撮影をしていたときのカメラ側設 定の中で、露出を+1.0から-0.7(手持ちのTokina EMZ M100 AF F3.5 MACROなる レンズ、ここまでアンダーの値で適正露出になるというシロモノ…)に戻すの を忘れており、全てが激しい白とび画像。救済のしようがありません。
     撮影直後に確認すれば良かったのでしょうが、撮影に対する情熱不足なのでし ょう、そこまではしていませんでした。
     で、この画像はコンデジの広角側で、青空を入れて撮ろうとしたものですが、や はり上手く撮れていません。
     その為にはフィッシュアイか…。
     チョッとだけ欲しくなったりしています。