2008年08月05日
08月03日(日)も山ゴマの採集に行ってきました。決してコキマダラセセリ
を撮りに行った訳ではございませんです。
これは朝に撮った画像。
赤兎山山頂から大長山方面を望んでおります。
少々ガスった向こうに見えるのが大長山。何年か前の冬場に大学生のパーテ
ィーが遭難して有名になったお山です。
こちら、赤兎山の山頂には、雲が懸かっているのに、アチラの方は良く晴れて
いるようです。「ウムぅ〜、また天気ハマリになるのか…」とイヤな予感がよぎ
ります。
そしてこちらは大長山山頂から、赤兎山方面を撮った画像です。
Exif Readerで読み出すと[オリジナル撮影日時 : 2008:08:03 15:55:16]と
なっております。
当地の事情をご存知の方なら「この時刻でゲート閉鎖前に間に合うのか?」
と心配くださっているかもしれませんが、結果的に何とか間に合いました。
ということで、今回の山ゴマ・ファイトは同一日における、赤兎山と大長山の2
ヶ所攻め。
「どんだけ、元気やねん!」とツッコミが入りそうです。
2008年08月07日
それでは、08月03日(日)の午前中、赤兎山のお話から始めましょう。
蝶研サロン(76)Jul.1993 p.9 山本直樹氏 【山ゴマの楽しみ方】によると
赤兎山に関して、
「避難小屋のすぐ南東側の斜面からの吹き上げが採れたらしいが少ない。多く採
った話しがなく、発生地も限定できない。」
との記述があります。この文章から、当地のゴマシジミは難関であるとのニュア
ンスが感じ取れますね。
先ずは避難小屋の南東斜面というのがどんな所かご覧いただきましょう。
確かに草原です。中国地方は蒜山のゴマシジミポイントなんかと、少し似た感
じの草原なのですが、山ゴマのポイントとしてはNG、キレイ過ぎます。
実際この草原内で探してみましたが、カライトソウすら生えておらず、この場
所の発生はなさそうです。
『南東側の斜面からの吹き上げが採れた』と言ってもこの斜面で発生した個
体でない事は断言してもよいと思います。
2008年08月08日
『発生地も限定できない』と【山ゴマの楽しみ方】にはありますが、私は前々
回訪れたときに「たぶんココが発生地だろう」という場所に到達しています。そ
の場所からならば、『避難小屋のすぐ南東側の斜面』まで飛んで行く事があり得
なくもないかなッ?と思っています。(ビミョーな表現やなぁ…)
私が勝手に、「赤兎山ラベルのゴマシジミの発生地」と推定している場所に生
えていたカライトソウは、 ←な状態でした。発生時期としてはベストと思わ
れます。
なのに、居ない…。
前2回の訪問時はいずれもイマイチの天候だったので、居たとしても飛ばない
状況でした。しかし今回は到着当初こそ曇っていたものの、11:00頃から強力な日
も差し始め、ほとんど無風。しかも気温は高く、居るものであれば必ず飛ぶ気象条
件でした。
この状況で全く飛ばないという事は、「居ない」と判断せざるを得ません。
2008年08月09日
わたくし、餅を搗いたような性格の割には、あきらめは早い方でございます。
ということで、「居ない」と判断したならサッサと下山です。この日は体調が
良く、普通に歩いていたのですが、
赤兎山と大長山分岐点の ←小原峠にはアッという間に到着。この時点で未だ
13:20。(この画像は朝の撮影)
「未だこんな時刻やし、天気も崩れそうにないし、体調もエエし、このままでは
ゴマシジミがどんな蝶やったか忘れてしまいそうやし、ええィ、登ったれ!」
餅を搗いたような性格の発揮ですな。ただ、この時点で既に2.5Lの水分を消費し
ており、残りは1.0Lしかありません。これでは少々心もとないのですが、ゴマシジ
ミが目の前にぶら下がっておるので、「まっ、大丈夫やろ」と判断。実にエエ加減
なオッサンです。
2008年08月11日
昨日(08月10日)も山ゴマに行っておったのですが、未だ08月03日の赤兎山〜
大長山の続き、今日でおしまいです。
小原峠で休憩されていた数名の一般登山者さんの「このヒト、この時間から
また登らはるんや…」という驚きの視線を背中に感じつつ出発。快調に高度を上
げ、大長山山頂まであと10分ぐらいの地点で、前方から澄んだ熊除け鈴の音が聞
こえてきました。
その鳴り方は降下中であるにもかかわらずリズミカルです。一般登山者さん
ならばベテランの方、同業蝶屋さんならば高いお山での行動に長けた、かなりの
手だれであることが窺がわれます。
鈴の音が近づき、ご挨拶をしようと足元2〜3M先で固定していた視線を上げる
と、そこに立たれていたのはMさん。
F:「まいど、お久しぶりぃ〜」
Mさん:「どうもどうも、お久しぶり。エエッ、これから登るの?」
*** この間の会話は微妙な話題を含む為、割愛されました ***
F:「ほなねぇ〜、気ぃつけて帰ってぇ」
Mさん:「気をつけて、頑張ってね」
というような会話が交わされた後、私は大長山のポイントに辿り着き、それな
りにゴマシジミを観察。ゴマシジミがどんな蝶だか思い出せてよろしゅうござい
ました。
そしてこのゲートを通過できたのは17:12。
何とか閉め出されずに済みました。
閉め出されてはいけないと思い、大長山の山頂から飛ぶようにして降り、林道
を軽トラで爆走(因みに山頂→ゲート間に要した時間は72分)したものですか
ら身体が強く水分を欲しています。そこで、国道に出て勝山市方面に走ると直ぐ
に在る自販機で500mlのペットボトルを2本購入し、ほぼ一気飲み。
結局、この日の行動中に飲み干した水分は4.5Lとなりました。
確かに、山ゴマは身体に悪い…。
2008年08月15日
08月12日の夜に出発し、13日〜15日までゴマシジミ狙いで中国地方へ行って
おりました。
昨年と同じように、ロケーション良く爽やかな白山山系で山ゴマ・ファイトを
するというのも選択肢にあったのですが、既に山ゴマを対象に3回もお出かけし
ておるので身体の方がチョッと…。
ということで今回は、軟弱にも中国ゴマにしておきました。
そして明日からは末娘がとても楽しみにしている海水浴。
なんやかや言いながらも、とっても元気な私です…。
2008年08月18日
お盆の中国地方ゴマシジミのお話に入る前に、08月10日に行った山ゴマのお
話しを書きます。
ご覧のように行ってきたのは岐阜県郡上市の水後山です。
亜種hakusanensis(Fujioka,1975)の記載文に、
Holotype ♂,July 31,1968,Mt.Dainichi-dake, Gifu-ken, Japan.
として挙げられているので、『大日岳』のゴマシジミとして通称していますが
、ポイントそのものとしては水後山になると思われ
ます。
水後山が『大日岳』(国土地理院の1/25000地形図の表記では【大日ヶ岳】
となっています)の一部だと強弁すれば別ですが、どう贔屓目に見てもラベル
には『大日岳』とは書けないと思います。
地名の表記については、みょーに拘ってしまう私なので、今回は念の為、大日
ヶ岳の山頂まで登ってみたところ、大日ヶ岳とラベルに書けるようなエリアで
はゴマシジミの生息環境を見い出すことはできませんでした。(私の見方が下
手なだけかもしれませんが…)
2008年08月20日
「各地で衰亡が著しい」と喧伝(この単語を使うのは正しくないか?)され
ているゴマシジミではありますが、こと山ゴマに関しては安泰であるかのような
表現を見かけたような気がします。
しかしながら、安泰というのはチョッと言い過ぎでしょう。私は近年、山ゴマを
対象に何度か各ポイントに出向いておりますが、「山ゴマもけっこうアブナイな
っ」との感想を抱いております。
富山県富山市祐延貯水池池畔
岐阜県揖斐郡揖斐川町池ノ又谷源頭部(夜叉ヶ池)
石川県白山市赤兎山
岐阜県郡上市水後山
過去に記録のある上記4ヶ所は、私が近年訪れて、観察可能な天候であったにもかかわらず、
全くゴマシジミが見られなかった産地です。いずれの産地も環境は良好で、
過去に居た時と変わっていないであろうと推定できるのですが、居ないんです。
この画像は水後山に生えていたカライトソウ。各露岩斜面にはこんな感じで
多くのカライトソウが生えており、しかもチョッと湿り気があって、とても良い
環境が展開しているのですが、全く見られませんでした。
今回は、過去に当地で採集したことがあるという福井県から来られた蝶屋さん
にお会いしたのですが、その方によると、「採ったのは10数年前で、その当時でも
個体数は多いものではなかった。」とのお話しを聴くことができました。
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