2013年の近況集04

  • 2013年02月15日

    2012年の総括:07月その1

     京都市及びその周辺でのキマリン採集は06月上旬から07月中旬まで、ほぼ毎日続けておった訳ですが、 結局、2012年もトータルの採集個体数は、×・・頭に達することなく終わったハズです。
     まあ、数えるのに難儀する程度は採っているのですが…。

     で、今日は07月の総括と銘打っているのですから、当時リアルタイムではほとんど書かなかった 2012年07月08日のことを書いておきましょう。

     一昨年(2011年)、地形図を眺めつつ「キマリンが生息しているに違いない!」との妄想を抱いた島根県西部の山奥へ実際に訪れ、 見事にヌルったのは記憶に新しいところです。
     このとき、地形図から読み込んだ環境が私の推定通りならば、キマリンがダメでも某シジミと某セセリは、 確実に得られるであろうと目論んでおりました。
     そしてこの目論見は見事に当たり、現在の島根県ではかなりの珍品である両種を採集できたのですが、 このとき既に時期遅く、両種共に汚損した個体しか得られませんでした。
     そこで2012年は、07月08日という日付を選び、きれいな個体を得ようと訪問した訳です。
     結果的に、某セセリはちょうど最盛期で、雄はややスレており、雌は出始めといった感じでした。
     また、某シジミの方は、雄雌共に激しく汚損した個体は見られなかったものの、汚損個体が1割、それなりにスレている個体が6割、 キレイな個体が2割といった状況でした。
     そしてこれら2種の個体数ですが、某セセリは「こんなものなんだろう」といった感想。 一方、某シジミの方は、見た目良好な環境の割には「チョッと少ないんとちゃう?」と思いました。

     産廃処理場からの排水が流れ込む以前の状態を知らないので何とも言えませんが、 この排水が某シジミの発生にとって何らかの負の影響を与えているのではないかと思っております。
     ただ上記の文言は、あくまでも金物屋のオッサンの主観であって、科学的な検証に基づき導き出された考察ではございません。
     立派な理系を出られた執筆者集団が著した大手出版社発行の書物内に、確信犯的にパクッた分布図が挿入されるような昨今ですから、 「金物屋のオッサン的ええかげんな考察」を当ページで述べたとしても、お許しいただけるのではないかと思い、 書かせていただきました。

     最後に、彼の地で撮影した某セセリと某シジミの動画を貼っておきましょう。

     


     

  • 2013年02月18日

    2012年の総括:07月その2

     某セセリと某シジミを対象に訪れた2012年07月08日の事を、もう少し書いておきましょう。
     前回、産廃処理場からの排水がうんぬんと述べましたが、その産廃処理場がどんな場所か、お見せしますね。

     ご覧のように、山あいに開けた平坦地、遠くにはきれいな草原も見えます。
     このような地形に在る平坦地は、まあ、たいがい湿地ですね。

     場所等の表示は消していますが、一つ上の画像内、右下に写っている看板↑を拡大してみました。
     この看板に表示された廃棄物の「木くず」がどのようなモノかといいますと↓コレです。

     きっと、5.25m以内の高さで積み上げられているのでしょう。けど、雨ざらしなんだ…。
     こうして積み上げる為には、車両が入らないといけないので、湿地を埋めて平坦地を造らなければなりません。

     ヒョウモンモドキの食草群落内に何やら怪しげな縄張り…。
     向かって右は未だ大丈夫そうですが、向かって左は「ボチボチ埋めようか」という状況ですね。

     ↑これが、一つ上の画像の向かって左側を、離れた場所から撮影したものです。
     土砂こそ投入されていませんが、埋める為の下準備は終わっているようです。
     一昨年、2011年に訪れたとき、未だこの範囲には自然度の高い湿地が残っていたんですがねぇ…。

     ところでこの湿地、ヒョウモンモドキは元々生息していなかったのでしょうか。
     これはあくまでも過去に生息していたとしての仮定のお話しですが、2011年03月以前の遠い過去に採集した標本を善意で友人にプレゼントした場合、 「種の保存法」の下、あげた方も貰った方も犯罪者になってしまいますよね。けど、こうして埋め立てをしている組織の責任者が、

       「ヒョウモンモドキ? なんですか、それ。そんなもん、居ませんでしたよ」

    と言ってしまえば、その責任者はお咎め無しという事になってしまいそうです。
     なぁーんか、とっても、釈然とせんな〜。

     

  • 2013年02月21日

     もう少し書きたい事があるのですが、現状では問い合わせ先からの返事待ちなので、2012年07月の総括は、 とりあえず前回までとしておきます。

    2012年の総括:08月その1

     何と言っても08月05日の「赤兎山ラベルのゴマシジミ」が印象に残っています。
     4回目の訪問にして、ようやく採集できたものですから、思わず雄叫びをあげてしまいました。
     これについてはあまりにも嬉しかったので、赤兎ゴマが採れたような文章を、速報的に08月08日付けで本ページにUPしたものですから、 速攻で鉄人M氏から電話が掛かってきました。
     「ポイントは、○×△+*☆を越えて、XYZ方向に…」とお話しさせていただいた後、 これまた速攻で現地訪問された氏も、本種を1頭得ることができたそうで、何よりでございました。
     それにしても、私が1頭。鉄人M氏をもってしても、1頭。都合2頭しか採れていないのですから、 当地のゴマシジミは個体数がとっても少なく、ウルトラ珍と言い切ってもよいでしょう。

     それはさておき、この日のもう一つの目的地は、赤兎避難小屋から杉峠へ向かう尾根道の途中に在る1530mの標高点から 南方に伸びる尾根でございました。
     地形図を眺めていると、この標高点よりも南側の斜面には多くの「雨裂記号」が描かれていることに気づきました。
     山ゴマのポイントは、地形図上の「岩の崖マーク」とリンクする事が多いのですが、 この「雨裂」が多く描かれている斜面もポイントである例があります。
     そこで、Googleの衛星画像も確認してみたところ、その辺りは樹林ではない色合いで表示されていたので、
      「これは、草原である可能性が高い…、赤兎山福井ラベルのゴマシジミ、採れたも同然やな」
    と、オメデタクも思い込むのが私の習性でございます。

    で、この1530mの標高点に到達し、南方向へと突入した藪が↑これ…。
     あまりの濃さに身動きとれず、約15分格闘したところで進行を断念。
     先に在るであろう草原を見ることもなく、引き返してしまいました。
     やっぱり、目標が見えてないと、ココロが折れてしまうんですよね〜。

     

  • 2013年02月24日

     02月21日付けで「もう少し書きたい事がある」と書いた2012年07月の総括ですが、 広島県山県郡北広島町の教育委員会からお返事をいただきましたので、2012年07月の総括をもう一回だけ書いておきます。

    2012年の総括:07月その3

     先ずは↓の画像をご覧いただきましょう。

     この画像内看板に表示されている「町生物多様性の保全に関する条例」というものの詳細を知ろうと、Webで調べてみたところ、 条例本体 はすぐにヒットしたのですが、この条例を読んでみてもどのような種や地域が対象になっているのか判りませんでした。
     そこで2013年02月18日11:20頃に北広島町の総務課に電話をかけ、同町教育委員会文化係のRさんに繋いでいただきお尋ねしたところ、
       「北広島町のホームページには載っていませんが、確かにU山を地域指定しています。
        しかしながら、お尋ねの対象種等につきましては、この件に詳しい担当者の方から
        お返事させていただきます」
    ということで、一旦電話を切りました。

     そして2013年02月22日10:00頃に担当のSさんからのお電話で、詳細を色々教えていただいたのですが、 このときの内容をまとめると、

      1:U山を野生生物保護区に指定しています。
      2:このU山に生息する動物3種と植物33種を指定希少野生生物に指定しています。
      3:U山麓から島根県境に至る道路を緩衝地区と指定し、これより上部の草原は
        特別保護区に指定しています。

    ということでした。
     上記1〜3の中で、2の動物3種と植物33種の種名についてお尋ねしたのですが、 「希少野生生物種が生息しているのを、お教えしてしまう事になるので種名を明らかにすることは出来ません」 ということでした。これはまあ、私がどんな人間なのかSさんには全く分からないのですから仕方ありませんね。
     けれども、Sさんと和やかに会話していく内に、この3種が昆虫であるという事だけは確かになりました。 であるならば、当ページにお立ち寄りいただいている皆さんは既にお解りだと思いますが、 看板に表示されている2種以外の残り1種は、Hシジミですね。
     それから、3についてですが、結局、草原全体が特別保護区の中に在る訳ですから、 この3種以外の種を対象にしていたとしても、草原内での採集はできないということになっています。
     以上が、今回私の知り得た規制情報でございます。
     皆さんの参考になればと思い、ここにUPさせていただきました。

     最後になりましたが、お忙しい中、とても丁寧に対応してくださった北広島町教育委員会のRさんと担当のSさん、 本当にありがとうございました。