2014年05月21日
近年、道が消滅してしまった為、茂住峠方面から高幡山東部湿原への到達は難しいと巷間言われているのは知っておりました。
私自身は十数年前に訪れていたので、「行っておいて良かった」
と思っていたのですが、つい先日、「今年はもう、ホンマに行けないような状態だった…」との文章を読んだものですから、
「そーゆー事なら行ってみよう!」と、私のスイッチが入った訳です。
実は以前に、nさんという方のヤマレコのページを読んでおりまして、そこには「2013年05月17日に藪漕ぎ1.5時間で高幡山東部湿原に到達できた」と書かれていたのです。
このnさん、他の記事を読んでみたところ、かなりの健脚です。この方の脚で1.5時間ということは、私の場合、3割増しぐらいの時間で到達可能だろうと推定できたので、
現地滞在09:00〜13:00は充分可能、4時間もあればギフチョウは充分堪能できるとの目論見です。
往々にして、目論見というものは外れるものなのですが、今回に限り予定通りの行動をとることができたので、まあ宜しゅうございました。
けどね、道の無い斜面の登りが2時間、現地湿地での採集行動4時間(私は待ちの採集が苦手。常に歩きまわっている)、
帰路1時間50分の道無き斜面降りというのは、体力的にも精神的にもかなり消耗するんですよね〜。
こんなにも美しく花が咲き乱れる場所↑なのに、精神的に疲れるというのはクマが生息しているからなのです。
今回、目撃こそしませんでしたが、足跡等の生息痕跡は至る所で見られますし、採集行動中の私は五感がビンビンに鋭くなっているので、
「たぶん、近くで見られてる…」と、その気配を感じてしまうのです。
しかも帰路の降下中、往路に付けてきた目印のテープを見失い、「降りるのは絶対無理…」と絶句してしまうような谷の上部に迷い出るしで、
ホンマ疲れましたわ。
2014年05月24日
で、05月18日(日)の高幡山東部湿原におけるギフチョウの状況ですが、採集した個体数は・雄×雌(未交尾と交尾済み)、
他に推定雄の×頭をミスネットと重複ではない推定雄の個体を×頭目撃しています。そして採集した個体は、
全てが新鮮と言ってもよい状態でした。
前回訪れた2003年05月18日は最盛期だったと思われ、・漆雄○雌(ほとんどが新鮮)を採集し、
性別不明の□個体をミスネットと重複も含み得る☆個体を目撃という結果でしたから、今回は同じ日付で最盛期チョッと前といった状況ですね。
湿原全体の状況は、前々回と前回に動画をUPしたのでお判りいただけたと思います。
そこで今日は補足として静止画を貼っておきますね。
↑ご覧のように湿原の南側には未だ雪が残っていました。
↑そしてこれは樹林内のカンアオイ。湿地内のは泥が付着して小汚いのですが、これはキレイな葉表ですね。
Googleの衛星写真では判りにくいのですが、実際現地を訪れてみると、この高幡山東部湿原は2つの狭い樹林帯によって3つの湿原に分かれています。
西端湿原は見通し良くて面積最大、真ん中のは狭いので「湿地」と呼びたい程度、そして東端湿原は中に潅木が点在するので見通しは悪いけど実際はけっこう広い、
といった構成になっています。
因みに、ミクロに分けた前記3ヶ所湿原内おけるこの日のギフチョウの採集・目撃構成は、
西 端:△雄○雌(交尾済み)採集と推定雄の○頭を目撃。
真ん中:△雄○雌(未交尾)採集と推定雄の×頭をミスネット。
東 端:□雄採集と推定雄の○頭を目撃。
といったものでした。
最後に貼った↑は東端湿原の最深部です。
写っている淵と言うか池の中には、40センチはあろうかと思われるお魚さんがいらっしゃいました。
釣り好きの方にとっては、きっとエエもんなんでしょうね。
2014年05月27日
前回の日曜日、05月25日は諸般の事情で自宅から出られない状況だったので、行きたかった飛騨・越中方面は断念致しました。
仕方がないので、話し前後しますが05月11日(日)の事を書いておきましょう。
前回までは美しいリュウキンカやミズバショウでしたが、今回は一転してコレ↓、
ご存知、マダニでございます。
私の右肘内側に食い込んだマダニ、このおぞましい画像を撮るのに、けっこう苦労したんですよ〜。
左手が攣りそうになりながらもこの画像を写したのは、マダニ媒介による何らかの感染症を発症した場合に備えてでございます。
問診の時、これを見せれば話しが早いですものね。
本画像ではマダニの周囲が若干赤みを帯びておりますが、これは何らかの抗原に対する反応ではなく、
本種に気付いて暫くの間、この辺りを摘まんだり引っ張ったりしていた為でございます。
因みにこのマダニは自分で除去しました。
除去方法は、北海道の様似町で出会ったばぁーちゃんに教えてもらった塩揉み法、即ち湿らせた塩でズリズリと擦るというもの。
この方法で今まで4回除去し、頭部が残る等の失敗はございません。
本来ならば皮膚科か外科へ行って取ってもらうべきなのでしょうが、一刻も早く取り去りたい私は、
翌日まで待つ事ができないのです。
2014年05月29日
「気色の悪いモノ見せおってからに」
と、前回のマダニ画像に対するお怒りは、至極ご尤もでございます。失礼いたしました。
本ページには、時々グロい生き物が登場するので、ご注意くださいね。
さて、05月11日(日)、マダニ以外のお話しです。
↓これはウスバサイシンに産まれたギフチョウの卵、産卵後1〜2日といったところでしょうか。
この画像のように、葉裏を撮ろうとすると、どうしても肘から先全体を地面に接触させなければなりません。
従いまして、この画像を撮るときにマダニが潜り込んだのだと推定しています。
普段からマダニに喰いつかれないようにするため、藪に突入した後は必ず身体全体を払うよう心がけているのですが、
地面への接触に対する危機意識が欠落していた訳ですね、迂闊でした。
ところで、突然ですが、先ほど撮影したゴマシジミの中に、こんなのがありました。
|