2015年の近況集15

  • 2015年08月05日

     08月02日〜03日、ゴマシジミ狙いで行った富山県立山方面のお話です。

     08月02日(土)の19:40頃に、↑のゲート前に到着。(これは翌朝05:45頃の撮影)
     ご覧のように通行可能時間が制限されています。この事実を知らず、到着した時には唖然としました。
     なぜならこの日の夕食は、富山市内のスーパーで購入した魚を使った鍋を予定していたのです。標高が950m以上ある称名の駐車場ならば、 涼しく快適な環境で鍋ができると期待していたのに、こうなると標高約460mに在る立山黒部アルペンルート・マイカー駐車場(無料)まで戻らねばなりません。
     戻るのはよいとしても、30℃を超える車中での鍋はさぞや辛かろうと思いつつ、実際やってみると将に灼熱地獄…。
     もう、二度とやるものかっ! でございます。

     さて、そもそもゴマシジミ狙いなのに、なぜ立山なのかと申しますと、蝶研サロン(76)1993 July 内の 「全国ゴマシジミ産地一覧表」に 『富山県中新川郡立山町立山称名 偶産?』と記されており、地図で確認してみると山ゴマが好みそうな崖マークがいっぱい描かれていたからなのです。


  •  そして実際行ってみると、↑のような崖が連なっています。
     

  • 2015年08月07日

     ようやくです。
     07月11日に採った雌が★になったので、先ほどキマリンの展翅が全て完了いたしました。
     フィルムケースに取り込み、生かしたまま三角紙に包み、タッパ内部を湿潤環境にして冷蔵保存し、各個体のバイタルサインが無くなってから展翅するので、 なかなか展れないんですよね。(こうした方がアブラが出ないように思う)

     さて、08月03日(日)の富山県立山方面の続きです。
     前回、08月05日に貼った崖は、かなり美味しそうなのですが、とても取り付けるような場所ではありません。


  •  そこで、ここは素直に↑の登山道 「八郎坂」 を利用し、「上ノ小平」 へと向かいました。
     もっとも、この 「八郎坂」 を通過中、崖で発生したゴマシジミが登山道まで飛来する可能性もあると思って注意していたのですが、 全く見られませんでした。

     樹林帯を通る 「八郎坂」 に、「ゴマシジミの飛来可能性あり」 と私が思ったのは、実際そのような経験があったから…。
     石川・富山県境の見越山と奈良岳間の鞍部付近、樹林帯内を通る暗い登山道上で2014年にゴマシジミ1頭(金沢市ラベルになる)を得たのですが、 採集地点は推定発生地から離れており、「へぇ〜、ゴマシジミって、けっこう移動するんや」 と思った次第です。

     さて、次に向かう場所は 「上ノ小平」 、何故そこを選んだのか? その理由は このPDF を目にしたからなのです。
     

  • 2015年08月10日

     昨日の日曜日、08月09日も山ゴマ狙いで某所へ行っておりました。
     けれども、結果は、今のところ…、う〜ん、チョッと書けません………。

     ということで、今日は08月02日に行った富山県立山方面のお話を続けます。

     ↑の 「上ノ小平」 と看板のあった場所は、元々湿性の草原だったように見受けられるのですが、乾燥化が進行中のようで木本が伸び始めていました。
     この草原の中にゴマシジミが居ないだろうかと歩き回ったところ、

    草原と遊歩道との境目で、少数の↑ナガボノアカワレモコウ(だと思う)を見つけました。
     「これは、貰ったかもしれぬ…」 と内心ほくそ笑み、集中力を高めて歩き回ったのですが、ゴマシジミはおろか、蝶は何も出て来ないのです。
     結局、この草原には狭い範囲に少数の食草しか生えていなかったので、良好な発生地とは言えない状況でした。

     ということで、期待していた 「上ノ小平」 ではゴマシジミが確認できなかったのですが、せっかくここまで来たことですし、 もう少し探してみようと、ここから降って美女平方面へは、

    ここ↑ 「滝見台」 まで遊歩道を進行。

     この 「滝見台」 までの道中、 「下ノ小平」 のバス道路沿いでワレモコウ↑をそこそこ確認しましたが、 やはりゴマシジミは全く見られませんでした。
     

     そして一旦 「上ノ小平」 まで戻り、ここからさらに登って室堂方面へは、ここ↑ 「弥陀ヶ原」 の下部まで行ってみました。
     元々この地点にミヤマモンキが多かったのかどうかは判りませんが、この日の目撃は皆無でございました。
     クロマメノキはけっこう生えていたんですがねぇ…。
     

  • 2015年08月13日

     前回、08月09日(日)の事については 「書けない」 と記しましたが、少しだけ…。

     化石のような↑携帯電話、見つけたときには嬉しくて、思わず撮影してしまいました。
     ウエストバッグに自動巻き取り式のリールを介して括り付けていたのですが、強力な藪を漕いでいる最中、引っ掛かって切れてしまったようです。
     失くしたことに気付いたので再度藪に突入し、「携帯も見つけられんよーでは、ゴマシジミも見つかるハズない!」 と 自身を叱咤激励しながら探し、無事発見できました。

     それにしても、地形図上には描かれているけれども、崖自体が何処からも全く見えていないときの藪突入には勇気が要ります。
     目標が見えていないのですから、突入地点の選定や、どのようなルートで進行するかもセンスが問われます。 そして、漕いでいる最中も崖自体が見えていないものですから、

       「これだけしんどい思いをして、この先、ホンマに崖があるんやろか? 
         まあ、崖はあったとしても、カライトソウすら生えてへんかも知れへんし…」

    といったマイナス思考が増大して行きます。

     こうしてココロが折れそうになるのですが、これまでに採ったときの快感を経験しているからなのでしょう、何とか辿り着いてしまうのです。
     

  • 2015年08月17日

     三日連続で山ゴマをやると、もうヘロヘロでございます。
     両足のみならず、腕や胸の筋肉もイタイ…、しかも身体中青アザだらけ。
     自分でも、「エエかげんに しとかんとアカンなっ 」 と思ってしまいます。

     さて、このお盆休みの三日間、08月14日〜16日は白山周辺のお山をウロウロしておった訳ですが、初っ端から

    今回のツアー結果を暗示するかのような、この↑躓きですわ。
     

  • 2015年08月19日

     お盆に行った白山周辺の山ゴマ・ツアーのお話は近いうちに書くとして、今日は富山県立山方面のお話を忘れる前に書いておきます。

     08月07日の記事でリンクを貼ったPDFファイル、 「富山県の絶滅のおそれある野生生物・レッドデータブックとやま2012」 についての訂正文は 「富山県生活環境文化部自然保護課」 名義で発行された謂わば公式文書ですから、「上ノ小平」 でゴマシジミが記録されているのは紛れも無い事実なのだと思います。
     一方、私が 「上ノ小平」 で探索した限りにおいて、当地は本種が継続的に世代を繰り返せる環境ではないと判断しました。

     ならば何故、記録が存在するのか?
     きっとそれは飛来個体、あるいは飛来個体由来の一時的な発生にめぐり遭うという僥倖に恵まれたのだと推定しています。
     少し前に本ページで書いた石川県見越山の例、たった1頭のみで以後全く追加記録の出ない福井県三ノ峰の例、 そして過去には福井県赤兎山避難小屋付近でも採集されたらしいという例、 これらの事から山ゴマって必ずしも発生斜面に執着するのではなく、自発的かどうかは別として、弱いながらも移動性があると言えるでしょう。
     ではこの飛来個体は何処からやって来たのでしょうか。

     ↑は 「上ノ小平」 の北側に延々と続く崖の一部です。
     この近寄り難い崖の何処かに、本種の良好な発生地があるのではないでしょうか。
     それともう一つの可能性として、歩行が禁じられているアスファルト道路沿いの細い線状の草地、 この中にもワレモコウが生えていそうな雰囲気なのです。

     しかしながらいずれも、近付いて調べる事ができません。
     何とも歯痒いところです…。