2015年の近況集24

  • 2015年12月25日

     今日も本の話題です。
     今、話題の本と言えば…、


  • この本↑、「飛騨のギフチョウ」 ですね。

     ギフチョウって個体によって個性があるので画一的な展翅では美しく仕上がらないと思っております。
     この点において筆者さんは流石です。それぞれの個体が最も輝くように展翅され、とってもカッコイイと思います。
     そして紙に印刷されたプレートは安定的で素晴らしい発色、ギフチョウの標本プレートは 「こうあるべきだ」 という状態で仕上がっていると思います。
     加えて、興味深い内容が読み易い文章で綴られている…。
     本ページにおいて、けっこう頻繁に標本画像を貼り、稚拙な文章をだらだら書き飛ばしている私としましては、 「見習わなアカンな…」 と反省させていただきました。

     と、舌の根も乾かない内に標本画像です。


     筆者さんの展翅を見た後で、これを貼るのは若干恥ずかしいのですが、水無ラベルのギフチョウです。 水無と言っても湿原の方ではなく、
       [富山県南砺市(旧東礪波郡利賀村)利賀村水無 **** 2013年 05月 26日]
    というラベルになります。
     で、何故これを貼ったのかと申しますと、「飛騨のギフチョウ」 では水無谷の食草がカンアオイと記されていたから…。

     この個体を採集した付近では本個体の他にも汚損個体2雄採集と推定雄の1頭を目撃しており、この付近には都合4個体が居たことになります。


     そして採集地点は↑こんな環境でしたから付近に発生地が在るとみるべきでしょう。
     そこで川沿いの斜面や、林道よりも上部の斜面をかなりしつこく調べてみたのですが、カンアオイは見当たりません。 かと言ってウスバサイシンが生えているでもなく、結局は食草を見つけることができませんでした。
     しかしながら現地の雰囲気から、 「ここはサイシン喰いのポイントやろ…」 という感想を抱きました。
     「飛騨のギフチョウ」 内の利賀村の項目で、筆者さんも「水無谷の産地でもカンアオイだけなくサイシンをも利用している可能性がある。」 と記されていることから、上に貼った個体はサイシン喰いなのでは? と思っております。
     

  • 2015年12月28日

     年内のお仕事は今日までの方が多いのでしょうが、伏見屋金物店は毎年12月31日午前中までの営業です。
     最近はたいして忙しくもなく、大晦日までやる必要もないと思うのですが、小売もあるのと 「大掃除でガラス割ったから、何とか入れて」 といった飛び込みのお客さんが必ず出てくるので、閉めずに営業しておきましょう。

     さて、ネタが無いので例によって [2004年版ふしみやDB] からの.jpgです。
     と言っても、お見せできるようなギフチョウは既にUP済みだし、キマリンは沢山あるけどUPする訳にいかんし…。


  •  仕方がないのでかなり汚損した山ゴマを掴んできました。
     ラベルは、 [富山県東礪波郡利賀村 **** 2004年 08月 01日] になります。
     この日は雲が多く断続的に日は差すものの強風という気象条件だったので、結局この2個体しか採集できませんでした。
     う〜ん、それにしてもイマイチの個体ですね。
     ここは登山口からポイントまで累積標高差1000m程度で距離もそこそこあったのですが、登山としてはそんなに辛くなかったと記憶しています。
     なので、もう少し歳をとってから、キレイな個体を採りに再訪しようかな…。
     

  • 2015年12月31日

     先程、伏見屋金物店を閉めました。
     2015年の営業はこれにて終了。あとは作業場を少し片づけてから入浴し、食べて呑んで寝る…。 このパターンが01月05日まで続くことが予想されます。
     その間、お墓参りや初詣等、若干の運動が挿まれる予定ではありますが、また体重が増えるんやろなぁ〜。

     さて、今年最後の画像は↓コレ、


  • 12月23日羽化し、今年最後に展翅したシルビアシジミでございます。

     島根県で採集した雌から強制採卵し、飼育羽化した雌。この時期に羽化したのに、表面の青色鱗粉の発達がイマイチです。
     幼虫から蛹期、即ち11月〜12月の気温がかなり高かったのが原因なのか、あるいはこの産地の特徴なのか、 本当のところは分かりませんが、同時期に羽化した兵庫県産の雌もこの程度の青色鱗粉だったので、 幼虫から蛹期の高温が原因と言ってよいかもしれません。

     ところでこの展翅板、2号傾斜板なんですよね〜、しかも表展翅。
     本来ならば0号平板で裏展翅したいところですが、所持している 0号平板+0号傾斜板+1号平板+1号傾斜板=30本弱 のすべてがキマリンやビア等に占拠されてしまったので 仕方なく2号傾斜板で表展翅です。(2号平板は Ypthima 系で占拠されているので裏展翅できない)
     2号傾斜板でシルビアシジミを展翅するのは、予想通りかなりの無理があり、けっこう往生しました。
     まっ、触角の先を潰してしまうのは、0号板を使ったとしても関係なく、明らかに私の技量不足による失敗でございます。
     まだまだ修行が足りませんな。